聴き方検定3級を受けて
私は保育士をしており、子どもの話を聴くことはもちろんのこと、保護者の方の話を聴く事が一番お母さんにとって子どもとの関わりに変化が見られ、それにより子どもの姿が変わるという事を改めて実感しております。
そんな体験談をお伝えしたいと思います。
あるお母さんが、入園当初より子どもの事を心配するあまり、子どもができる事も手伝う上、この子は周りと違い成長もゆっくりだと心配されていました。その都度今の姿をありのまま受け止めていく事の大切さを伝えると、頭では理解していても結果主義の頭でっかちな印象でした。担任として子どもの姿を肯定的に伝え、よい所を伸ばしましょうと具体的に話をしても、理想にはめようとするため子どもは自信を無くし、出来るものもできなくなり余計悪循環でした。
そんな中聴き方検定を勧めていただきました。
我が子の話を聴けていなかった事にも気づかされ、聴くように意識すると子どもは話をし、機嫌もよいという結果になりました。親子なのでうまくいかない事もありますが、「そんな日もある!」と思えるようになりました。
仕事の方で特に効果は歴然でした。私自身、保護者の方の話を聴いているつもりでしたが、聴きながら正しい方向へ持って行こうとしていた事に気づきました。これではいけないと、懇談会の時に「まずは聴くに徹しよう」と思いました。こちらの聴く態勢が伝わったからか、以前から気になっていたお母さんはひたすら想いや不安を言い続けました。
30分話し切ると、「先生!私自身が変わらなきゃいけないですね。いっぱい話をしたら何か楽になって…」と言われました。
話し切った後でしたので、私の話にも耳を傾けてくれました。
それから2ヶ月後、お母さんの方から「先生、前は不安で私いつも先生を追いかけて聞いていたでしょ?でもあの懇談の時に出し切れた事で、ありのままの子どもを受け止めるということはこういう事なのかと気づかされました。ありのまま受け止められるようになると自分自身も楽だし、子どももこんなに変わるのかと思って!」と喜んでおられました。お母さんの変化によって、負のスパイラルから正のスパイラルに入っているのが、子どもを通してもよく分かりました。子どもはとても意欲的に遊ぶようになり、好きな遊びが見つかったことで自信もつきました。そうなると友だちとも友好的になり、友だちからもよい刺激を受けているのが分かります。
人は何かあると聴いてもらいたい欲求があるので、それが満たされると自分で切り開いていく力が出てくるという事が、聴き方を通して私自身も改めて気づかされました。
聴き方は精神安定剤より即効性があり、自分とも向き合え、自分も好きになれる不思議な力を持っていると思います。
学ばせていただいた事を活用し、笑顔のお母さん、子育てを楽しめるお母さんが増えるように、できる事をしていきたいです。
そして何より、私も子育てを楽しみたいと思います。